男性型脱毛症AGAってなに?原因や治療法をご紹介

2019.1.10 / MASTER
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男性に見られる薄毛の1つに「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれる脱毛症があります。男性の薄毛というと遺伝が原因だと思われがちですが、実は遺伝以外にも男性型脱毛症の原因はいろいろあります。

 

そこで今回は、男性型脱毛症とはどのような脱毛症なのか、またその原因や治療法、男性型脱毛症のリスクを下げる方法などについて紹介したいと思います。

 

男性型脱毛症とは

 

男性型脱毛症の原因や治療法について解説する前に、まずは男性型脱毛症とはなんなのかについて知っておきましょう。そうすることで、薄毛に対する早めの対処が可能となります。


 

思春期以降に見られる脱毛症

 

男性型脱毛症はAGAとも呼ばれています。AGAは「Androgenetic Alopecia」を略したもので、直訳すると男性ホルモン由来の脱毛症ということになりますが、日本では男性型脱毛症と呼んでいます。

 

日本皮膚科学会の策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によると、男性型脱毛症は思春期以降に見られる脱毛症という風に定義されています。

 

男性の薄毛というと壮年期以降に見られるものというイメージがあるかもしれませが、実際には思春期以降に起こるということなので、10代後半や20代であっても男性型脱毛症を発症する可能性があります。

 

進行型の脱毛症

 

前出のガイドラインによると、男性型脱毛症は「徐々に進行する脱毛症」という風に定義されています。少し難しい言葉でいうと、「不可逆性」の脱毛症ということです。

 

不可逆性というのは「元に戻らない」という意味です。男性型脱毛症を発症したときに何も措置をしなかった場合、取り返しのつかないことになるのです。

 

また男性型脱毛症の治療を開始した場合であっても、治療をやめると治療をしていなかった場合の毛量に逆戻りしてしまいます。

 

たとえば30歳で男性型脱毛症の治療を始めて40歳で治療をやめた場合、髪の毛の量は治療を始めた30歳時点の量に戻るのではありません。

 

そうではなく治療をしなかった場合、40歳時点でこれくらいまで減っていたと思われる量になるのです。つまり、いったん男性型脱毛症を発症した場合、髪の毛の量が減るスピードを遅らせるしかないのです。

 

男性型脱毛症の原因

 

男性型脱毛症とはどのようなものか知って頂いたところで、次に男性型脱毛症の原因について見ていきたいと思います。男性型脱毛症にはいろいろな原因がありますが、単一の原因というよりは複数の原因が絡み合って発症すると考えられています。

 


遺伝

 

男性型脱毛症の原因としてまずあげられるのが遺伝です。髪の毛が薄くなってきたという人の中には、父親や祖父が薄毛だという人もいるのではないでしょうか。

 

男性型脱毛症を発症した際の抜け毛のリスクファクターとして、ジヒドロテストステロン(DHT)の存在があげられます。ジヒドロテストステロンは男性ホルモンであるテストステロンが強力化したものです。

 

ジヒドロテストステロンは男性ホルモン受容器であるアンドロゲンレセプターと結合し、有害なサイトカインの一種である「TGF-β」を産生します。

 

TGF-βは退行期誘発因子とも言われており、髪の毛が生え換わる周期=ヘアサイクルを乱します。ヘアサイクルは髪の毛の「成長期」「退行期」「休止期」「成長期」といった具合に巡ります。

 

通常であればヘアサイクルの休止期を迎える頃には、新しい髪の毛が古い髪の毛の下から生えてきています。その新しい髪の毛に押し出されるようにして、古くなった髪の毛が抜けおちる訳です。

 

ところがTGF-βが産生されると、髪の毛の成長期が短くなって、退行期を早く迎えることとなります。退行期を早く迎えた毛穴では、まだ新しい髪の毛が生えてきていません。そのような毛穴が増えることで、徐々に薄毛が目立つようになるのです。

 

テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際、触媒としての働きをするのが5α-リダクターゼと呼ばれる還元酵素の一種です。

 

そして遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発である場合、ジヒドロテストステロンが産生されやすくなり、薄毛のリスクが高くなるのです。

 

また遺伝的にアンドロゲンレセプターの感受性が高い場合、ジヒドロテストステロンと結合しやすくなり、やはり薄毛のリスクが高くなります。

 

ただし遺伝によって男性型脱毛症を発症するのは、薄毛全体で見ると4分の1程度だということです。その他4人に3人は遺伝以外の原因で薄毛になると考えられています。

 

ストレス

 

ストレスも男性型脱毛症を発症する原因の1つと考えられています。ストレス状態が昂じると自律神経のうち交感神経が優位になります。

 

交感神経が優位になると血管が収縮するため、血行が悪くなります。血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血行の悪くなった場所には栄養状態の低下が起こります。

 

髪の毛は毛母細胞が分裂することによって成長します。毛母細胞は毛包部にある毛乳頭から栄養を受けとっているのですが、血行が悪くなると毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取れなくなります。

 

栄養不足に陥った毛母細胞の分裂は不活発になってしまいます。そのため髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ち、男性型脱毛症のリスクが高くなるのです。

 

またストレスによって交感神経優位の状態が続くと、寝ている間もアクセルを踏みっぱなしのような状態になってしまうので、睡眠の質が低下してしまいます。

 

私たちの身体では寝ている間に成長ホルモンが分泌され、細胞分裂することによって傷んだ身体の修復をしたり、疲労を回復させたりします。

 

ところが交感神経優位の状態が継続することで睡眠の質が低下すると、細胞分裂が不活発になり、やはり髪の毛の成長に悪影響を及ぼすのです。

 

皮脂の過剰な分泌

 

男性型脱毛症の原因としては、皮脂の過剰な分泌もあげられています。皮脂は私たちの頭皮を外部の刺激から守ってくれる存在ですが、分泌量が過剰になると頭皮環境が悪化します。

 

頭皮には無数の常在菌が住んでいますが、中でもマラセチアという真菌(カビ)の一種は、皮脂をエサとして繁殖することが分かっています。

 

過剰に分泌された皮脂をエサとしてマラセチアが異常に繁殖すると、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と呼ばれる皮膚疾患を発症します。

 

そして脂漏性皮膚炎は男性型脱毛症と密接に関わっていることが分かっています。脂漏性皮膚炎が元となって起こる脱毛症のことを、脂漏性脱毛症と呼ぶこともあるほどです。

 

皮脂が過剰に分泌される原因としては、先ほども登場したジヒドロテストステロンがあげられます。また誤ったヘアケアや乾燥によって皮脂が大量に分泌されるケースもあります。

 

食習慣

 

食習慣も男性型脱毛症のリスクファクター(危険因子)となります。脂っこい食べ物を好んで食べると皮脂の分泌量が増え、頭皮環境を悪化させて抜け毛のリスクを高めます。

 

またカロリーの高い食べ物や脂肪分の高い食べ物を好んで食べると動脈硬化が進行し、血液の循環が悪くなってしまいます。その結果、男性型脱毛症を発症するリスクが高まるのです。

 

誤ったヘアケア

 

男性型脱毛症を発症する原因としては、誤ったヘアケアもあげられます。特に合成界面活性剤を配合したシャンプーなどを用いて洗髪していると、頭皮環境の悪化を招き抜け毛のリスクが高まります。

 

合成界面活性剤は油と水を交わらせるために用いられるもので、食器洗い洗剤や洗濯洗剤などにももちいられています。食器や洗濯ものから油分を浮かせ、洗い流しやすくするために用いられる訳です。

 

ところが合成界面活性剤入りのシャンプーで頭を洗うと、頭皮にとって必要な皮脂を根こそぎ洗い流してしまいます。

 

皮脂は頭皮をバリアのように守る存在でもあるため、皮脂を過剰に洗い流してしまうと頭皮が外部の刺激にさらされ、頭皮環境が乱れることとなるのです。

 

また短髪の男性の場合、髪の毛を洗ったあとに自然乾燥させるケースもあると思いますが、これも男性型脱毛症のリスクを高める要因です。

 

髪の毛が濡れている状態が長く続くと、髪の毛が切れやすくなります。また頭皮が湿っていると細菌繁殖の温床となってしまいます。もちろん、頭皮を不潔にしていても細菌が繁殖するので、髪の毛を正しく洗って乾かすことが重要です。

 

男性型脱毛症への対処法

 

「最近、髪の毛を洗ったときに地肌が目立つようになった」とか、「排水溝にたまる抜け毛の量が増えた」などという場合、もしかしたら男性型脱毛症が進行しているかもしれません。そのような場合、どう対処すればよいのでしょうか。

 


専門のクリニックで治療を受ける

 

男性型脱毛症は病院や専門のクリニックで治療できる時代になっています。そのようなコマーシャルを見たことのある人もいるのではないでしょうか。

 

病院やクリニックでは主に発毛剤を用いて男性型脱毛症の改善を図ります。また毛髪再生メソセラピーといって、髪の毛の成長因子(グロースファクター)を直接皮下に注入する治療法もあります。

 

代表的な発毛剤としてはプロペシアやザガーロ、ミノキシジルなどがあげられます。プロペシアの有効成分であるフィナステリドと、ザガーロの有効成分であるデュタステリドには5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があります。

 

それによって抜け毛の元となるジヒドロテストステロンの産生を抑制し、結果として抜け毛の量を減らすことが可能となるのです。

 

フィナステリドもデュタステリドも厚生労働省によって「発毛効果がある」と認められており、錠剤での服用が許可されています。

 

ミノキシジルも厚生労働省によって認可されているのですが、フィナステリドやデュタステリドとは異なり、塗り薬タイプだけが許可されています。

 

病院やクリニックで治療を受けるメリットとしては、医師の指導のもとで治療をおこなうため安全であるということがあげられます。

 

また厚生労働省は認可していないのですが、男性型脱毛症を専門とするクリニックなどではミノキシジルのタブレットを用いて発毛を促しています。

 

ミノキシジルには血管拡張効果があるので、プロペシアやザガーロと併用することで発毛効果を高めることができるのです。

 

ただしプロペシアやザガーロ、ミノキシジルタブレットのような化学的に製造された医薬品には、発毛効果というメリットがあるのですが、副作用というデメリットもあります。

 

そのため定期的に血液検査などをおこない、肝臓の数値が悪化していないかなど、身体の状態を確認しながら治療することが重要なのです。発毛のために肝機能障害を発症しては元も粉もありませんからね。

 

その他にも病院やクリニックで治療を受けるデメリットとしては、治療費が高くつくということがあげられます。というのも男性型脱毛症の治療は審美目的であるため自由診療=全額自己負担となるからです。

 

ケガの治療のように保険が適用されない上、治療をやめると元通りになってしまうため、毎月それなりの支出を強いられることとなります。

 

発毛剤を服用する

 

最近は通販で発毛剤を購入することができるようになっています。プロペシアのジェネリックなどはかなり安価になっており、正規のプロペシアの10分の1程度の価格で購入することも可能です。

 

そのため病院やクリニックで治療を受けるよりもかなり安価に男性型脱毛症を改善することが期待できます。ただし自分で発毛剤を購入して服用する場合、副作用が起きても自己責任ということになります。

 

近所に男性型脱毛症を専門とする病院やクリニックがない場合、初回は頑張って遠方まで赴き、医師の問診を受けたり血液検査を受けたりして、発毛剤を服用しても大丈夫かどうかを確認してもらいましょう。

 

それから数ヶ月は市販の発毛剤を服用しても問題ないでしょう。ただ、その場合でもやはり半年に一度は専門のクリニックなどを受診し、血液検査を受けるようにした方が無難です。

 

自毛植毛をおこなう

 

男性型脱毛症は進行性なので、ある程度まで薄毛が進んでしまった場合、発毛剤を服用しても思ったほどの効果を得られないケースがあります。そのような場合、自毛植毛をおこなうのも一つの手です。

 

通常、自毛植毛は後頭部などの毛根を皮膚ごと採取し、それを株(グラフトと言います)に分けて目標とする頭皮へと植え込んでいきます。

 

後頭部の毛穴は5α-リダクターゼの影響を受けることがないので、後頭部に生えていたとき同様に髪の毛が伸びてきます。また人工植毛とは異なり、抜けてもまた新しい髪の毛が生えてくるというメリットもあります。

 

男性型脱毛症のリスクを下げる方法

 

男性型脱毛症は進行性の脱毛症ですが、そのスピードを遅くすることは可能です。ではどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

 


食習慣を見直す

 

私たちの身体は食べたものから作られており、髪の毛に関しても例外ではありません。髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られているので、日頃から良質のたんぱく質を摂取することが重要です。

 

タンパク質と言っても脂身のお肉ばかり食べると脂肪分を摂りすぎてしまうので、鳥のささみのような脂肪分の少ないお肉や、不飽和脂肪酸を多くふくむ青魚、大豆などからタンパク質を摂取するとよいでしょう。

 

またタンパク質を合成するためにはミネラルの一種である亜鉛が不可欠です。というのも、食事で摂取したタンパク質は一度、体内で分解されるからです。

 

亜鉛には分解されたタンパク質を再構築し、私たちの身体や髪の毛を作るサポートをしてくれるのです。他にも亜鉛には抜け毛の元となる5α-リダクターゼの働きを阻害する働きもあるとされています。

 

亜鉛を多くふくむ食品としては牡蠣や豚レバー、牛肉などがあげられています。食事で賄いきれない場合はサプリメントで補うものよいでしょう。

 

ストレスをため込まない

 

男性型脱毛症のリスクを下げるためには、ストレスをため込まないことも重要です。「ストレスは万病のもと」などと言われますが、身体のさまざまな場所に悪影響を及ぼします。

 

ストレスによって影響を受ける部分は人それぞれです。免疫系の弱い人は胃腸の調子を崩したり鼻炎を起こしたりと、粘膜系に悪影響を受けがちです。

 

不幸にもストレスが頭皮に悪影響を及ぼす場合、男性型脱毛症のリスクが高くなってしまいます。そのため、日頃からストレスをため込まないよう気をつけましょう。

 

頭皮を清潔に保つ

 

男性型脱毛症の原因として、誤ったヘアケアがあげられていました。頭皮をキレイにしようとするあまりゴシゴシ洗うのはもちろんのこと、不潔にしていても頭皮環境は悪化してしまいます。

 

1日の終わりにノンシリコンシャンプーや育毛シャンプーで頭皮を清潔にし、タオルで優しく拭いてドライヤーで乾かし、頭皮環境を良好に保ちましょう。

 

まとめ

 

男性型脱毛症の原因はさまざまであり、いくつかの要因が複雑に絡み合って発症します。そのため、まずはなぜ抜け毛の量が増えているのか、その原因を探ることが重要です。

 

自己判断で発毛剤を服用すると副作用が起きた時に自己責任となってしまいます。やはり最初は専門の病院やクリニックで診察を受けるのがベストと言えそうです。

 

また乱れた食習慣やストレスも男性型脱毛症のリスクを高めます。日頃から栄養バランスを考えた食事を摂取し、ストレスをため込まないよう気をつけましょう。

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